共有フォルダにアクセスできない時の確認方法 — 原因の切り分け手順
「昨日まで開けていた共有フォルダが開けない」「NASが見えなくなった」。共有フォルダの不具合は、原因が名前解決・ネットワーク・ファイアウォール・権限・パスワードのどこにあっても、表示されるエラーが似ているのが厄介です。この記事では、エラーの文言に頼らず、順番に確かめて原因の場所を絞り込む手順を説明します。
エラーの番号だけで判断しない
コマンドプロンプトで共有フォルダに接続する net use を試すと、失敗したときに「システム エラー 67 が発生しました。ネットワーク名が見つかりません。」のような番号つきのエラーが出ます。67は本来「共有名が違う」という意味ですが、実際に試したところ、存在しない共有名・届かないIPアドレス・存在しないホスト名のどれでも67になりました。番号だけを見て「共有名の打ち間違いだ」と決めつけると、遠回りになることがあります。
切り分けの順番
相手(ファイルサーバーやNAS)を \\server01\share で開けないとして、次の順に確かめます。上から順に「ここまでは問題ない」を確定させていくのがコツです。
① 名前ではなくIPアドレスで開いてみる
エクスプローラーのアドレス欄に \\192.168.1.20\share のように、相手のIPアドレスで入力します。IPアドレスなら開けるのに名前では開けない場合は、名前解決(DNSなど)の問題です。nslookup server01 で正しいIPアドレスが返るかを確かめます(名前解決できない時の確認方法)。
② 相手まで届くか確かめる
ping 192.168.1.20 で応答があれば、IPアドレスまでは届いています。ただし、ファイアウォールでpingだけを止めている機器も多いので、pingが失敗しても次の③は必ず試してください(pingの使い方と結果の見方)。
③ 445番ポートに届くか確かめる
共有フォルダの通信(SMB)は、TCPの445番ポートを使います。PowerShellで次を実行します。
Test-NetConnection 192.168.1.20 -Port 445
TcpTestSucceeded : True なら、相手のSMBまで届いています。False なら、相手の「ファイルとプリンターの共有」が無効か、ファイアウォールで445番が許可されていないか、途中の機器で止められています。失敗するまでの時間で原因の場所を見分ける方法は、telnetでポート確認する方法と代わりのコマンドで説明しています。
④ 共有名と権限を確かめる
445番に届くなら、相手が公開している共有の一覧を見ます。
net view \\192.168.1.20
\\192.168.1.20 の共有リソース
共有名 タイプ 使用 コメント
-------------------------------------------------------------------------------
documents Disk
share Disk
コマンドは正常に終了しました。
開こうとしている共有名が一覧にあるかを確かめます(末尾に $ が付く C$ などの管理用の共有は、/all を付けたときだけ表示されます)。一覧にあるのに「アクセスが拒否されました」と出るなら、権限の問題です。Windowsの共有フォルダは、共有のアクセス許可と、フォルダそのもののNTFSのアクセス許可の両方で許可されている必要があり、厳しいほうが優先されます。
⑤ 保存されたパスワード(資格情報)を確かめる
パスワードを変えたあとに開けなくなった場合は、PCに古いパスワードが保存されたままになっていることがよくあります。コントロールパネルの「資格情報マネージャー」→「Windows資格情報」に、相手の名前やIPアドレスの項目があれば、編集するか削除してから開き直します。また、net use で、すでに同じ相手につながっている接続が残っていないかも確かめます。
よく出るエラーと意味
| 表示 | 本来の意味 | 確かめること |
|---|---|---|
| システム エラー 67 ネットワーク名が見つかりません。 | 共有名が見つからない | 共有名の綴り。ただし、相手に届かない場合にも出るので、①〜③も確かめる |
| システム エラー 53 ネットワーク パスが見つかりません。 | 相手のコンピューターが見つからない | 名前解決(①)、相手まで届くか(②③) |
| システム エラー 5 アクセスが拒否されました。 | 権限がない | 共有とNTFSのアクセス許可(④) |
| システム エラー 1326 ユーザー名またはパスワードが正しくありません。 | 認証に失敗した | 保存されたパスワード(⑤)、ユーザー名の書き方(server01\ユーザー名 の形にする) |
| システム エラー 1219 | 同じ相手に、別のユーザー名でつなごうとした | 既存の接続を net use \\server01\share /delete で切ってから、つなぎ直す |
| エクスプローラーで「\\○○ にアクセスできません」(エラーコード 0x80070035) | 相手のパスに届かない | ①〜③の順で確かめる |
古いNASにつながらない:ゲストアクセスとSMB1
Windowsを更新したら、家庭用や古いNASに急につながらなくなった、という相談はよくあります。主な原因は次の2つです。
- ゲストアクセスが止められた:ユーザー名とパスワードなしで使える「ゲスト」の共有は安全ではないため、新しいWindowsでは標準で使えなくなっています。この場合、「組織のセキュリティ ポリシーによって非認証のゲスト アクセスがブロックされている」という趣旨のメッセージが出ます。
- SMB1にしか対応していない:とても古いNASは、最初のバージョンのSMB(SMB1)でしか通信できません。SMB1には重大な弱点があり、今のWindowsでは標準で無効です。
自分のPCの設定は、PowerShellの Get-SmbClientConfiguration で確かめられます。EnableInsecureGuestLogons が False ならゲストアクセスは無効、RequireSecuritySignature が True なら通信の署名が必須になっています。
どちらの場合も、PC側の守りを弱めて合わせるのではなく、NAS側でユーザーとパスワードを作り、SMB2以上を有効にするのが安全な直し方です。SMB1にしか対応していないNASは、買い替えを検討する時期です。
確認に使うコマンド
| やりたいこと | コマンド |
|---|---|
| 共有フォルダにつなぐ | net use \\server01\share |
| 今つながっている共有の一覧 | net use(PowerShellなら Get-SmbConnection) |
| 接続を切る | net use \\server01\share /delete |
| 相手の共有の一覧 | net view \\server01(管理用の共有も見るなら /all) |
| 445番ポートに届くか | Test-NetConnection server01 -Port 445 |
| 名前からIPアドレスが引けるか | nslookup server01 |
よくある質問
Q. IPアドレスなら開けるのに、名前だと開けないのは?
A. 名前解決の問題です。社内ならDNSサーバーにその名前が登録されているか、家庭なら相手の名前が正しく引けているかを nslookup 名前 で確かめます。急ぎなら、IPアドレスで開いて作業を続けられます。
Q. 自分のPCの共有フォルダに、ほかのPCから入れない。
A. 共有する側のPCで、ネットワークが「プライベート」になっているか、「ファイルとプリンターの共有」が有効か、ファイアウォールで445番が許可されているかを確かめます。ほかのPCから Test-NetConnection 共有する側のPC -Port 445 を実行すると、どこで止まっているかが分かります。
Q. 一部の人だけ開けない。
A. ネットワークではなく、権限か資格情報の問題であることが多いです。開けない人のユーザー名が、共有とNTFSの両方のアクセス許可に含まれているか、その人のPCに古いパスワードが保存されていないかを確かめます。
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