DNSとは? 名前解決の仕組みをやさしく図解 — ドメインからIPを引くまで

公開: 2026年6月 カテゴリ: ネットワーク入門

Webサイトを開くとき、私たちは infravis.dev のようなドメイン名を入力します。でも、コンピュータが通信するのに必要なのはIPアドレスです。この2つを橋渡しするのが DNS。この記事では、DNSの役割・名前解決の流れ・キャッシュ・レコードの種類までを、図解でやさしく解説します。

DNSとは — インターネットの「電話帳」

DNS(Domain Name System)は、ドメイン名とIPアドレスを対応づける仕組みです。人間は「infravis.dev」のような覚えやすい名前を使い、コンピュータは「104.21.x.x」のような数字で通信します。その変換(名前解決)を担うのがDNSで、いわばインターネット全体の電話帳です。電話帳で「名前」から「電話番号」を引くように、DNSで「ドメイン名」から「IPアドレス」を引きます。

名前解決は「たらい回し」で行われる

世界中のドメインを1台のサーバーで管理するのは不可能です。そこでDNSは階層構造で役割を分担しています。名前解決は、あなたのブラウザがリゾルバ(ISPや 8.8.8.8 などの問い合わせ代行サーバー)に頼み、リゾルバが上から順に「たらい回し」で聞いていく形で進みます。

infravis.dev のIPを引くまで 💻 ブラウザ あなた 🔎 リゾルバ 問い合わせ代行 ① IP教えて ⑧ IPはこれ(+キャッシュ) 🌐 ルートDNS 🏷️ .dev TLDサーバー 🗄️ 権威DNSサーバー infravis.dev ②.devはどこ?→③案内 ④→⑤案内 ⑥IPは?→⑦回答 上の階層は「次の行き先を案内」するだけ。IPそのものを返すのは最後の権威サーバー
図1: リゾルバがルート→TLD→権威と順にたどる。実際の動きは可視化ページで1ステップずつ追えます

登場するサーバーの役割

名前役割
フルサービスリゾルバ利用者の代わりに各サーバーへ順に問い合わせ、答えをまとめて返す(ISPや 8.8.8.8 など)
ルートDNSサーバー「.dev / .com / .jp」などTLDの担当サーバーを案内する
TLD DNSサーバーそのドメインの権威サーバーを案内する
権威DNSサーバーそのドメインの実際のIPアドレスを回答する(=正式な答え)

キャッシュとTTL — 2回目は速い

毎回ルートからたどると時間がかかります。そこでリゾルバは、一度引いた結果を一定時間おぼえておきます(キャッシュ)。次に同じドメインを引くときは、たらい回しをせずにすぐ答えを返せます。この「おぼえておく時間」を決めるのが TTL(Time To Live)です。ブラウザやOSにも小さなキャッシュがあり、まずそこを確認してから外へ問い合わせます。

逆に、この仕組みがあるために「ドメインの設定を変えてもすぐ反映されない」ことがあります。世界中のリゾルバに古い情報が残っているためで、TTLの時間が過ぎるまで待つ必要があります(俗に「DNSの浸透待ち」と呼ばれます)。

🔎 名前解決の流れを動かして見るなら:当サイトのDNS名前解決の可視化で、ブラウザ→リゾルバ→ルート→TLD→権威サーバーへ問い合わせが進む様子を、1ステップずつ確認できます。質問と回答が色分けされて動くので、「たらい回し」のイメージがつかめます。

DNSレコードの種類(頻出)

DNSサーバーには、ドメインに関するさまざまな情報がレコードとして登録されています。代表的なものは次のとおりです。

レコード役割
Aドメイン名 → IPv4アドレス
AAAAドメイン名 → IPv6アドレス
CNAMEドメイン名 → 別のドメイン名(別名・エイリアス)
MXそのドメイン宛メールの配送先サーバー
NSそのドメインを管理する権威DNSサーバー
TXT任意の文字列(SPF・ドメイン認証などに利用)

「AレコードはIPv4、AAAAはIPv6」「メールの配送先はMX」——この対応は基本情報でも実務でもよく問われます。

自分でDNSを引いてみよう

DNSはコマンドで簡単に確認できます。手を動かすと理解が深まります。

環境コマンド例
Windowsnslookup infravis.dev
Linux / macOSdig infravis.dev(または nslookup infravis.dev)

dig infravis.dev と打つと、Aレコード(IPv4)が返ってきます。同じコマンドを続けて打つと、2回目は応答が速くなる——これがキャッシュの効果です。ドメイン名からたどり着いたIPアドレスが、実際にどこの住所なのかはグローバルIP確認や、IPアドレスの仕組みの記事と合わせて見ると立体的に理解できます。

基本情報技術者試験ではこう出る

「ドメイン名とIPアドレスを対応づけるのはどれか(→DNS)」「ルートDNS・権威DNSの役割」「再帰問い合わせと反復問い合わせの違い」などが定番です。レコードの種類(A・AAAA・MX・CNAME)を問う問題も頻出。名前解決は「階層をたどって、最後に権威サーバーが答える」という全体像を押さえるのが得点のコツです。

よくある質問

Q. 8.8.8.8 とは何ですか?
A. Googleが提供するパブリックDNS(フルサービスリゾルバ)のIPアドレスです。プロバイダのDNSの代わりに使えて、高速・安定していることで知られます。1.1.1.1(Cloudflare)も同様のサービスです。

Q. DNSが使えないとどうなりますか?
A. ドメイン名からIPアドレスを引けなくなり、「サイトにアクセスできない」状態になります。IPアドレスを直接入力すれば通信自体は可能なことが多く、これは「DNSだけが不調」なのか「回線全体が不調」なのかの切り分けに使えます。

Q. DNSでセキュリティは大丈夫?
A. 従来のDNSは通信が平文で、なりすまし(DNSキャッシュポイズニング)のリスクがありました。近年は通信を暗号化する DoH(DNS over HTTPS)DoT(DNS over TLS)、応答の正当性を検証する DNSSEC が普及しつつあります。

まとめ

DNSは「ドメイン名 ↔ IPアドレス」を変換するインターネットの電話帳。名前解決はリゾルバがルート→TLD→権威と階層をたどって答えを得る仕組みで、キャッシュ(TTL)で2回目以降を高速化しています。レコードの種類(A・AAAA・MX・CNAME)も合わせて押さえれば、試験も実務もカバーできます。

関連ページ: DNSの可視化IPアドレスの仕組みグローバルIP確認OSI参照モデル記事一覧