ポート番号とは?やさしく図解 — IPアドレスとの違い・ソケット

公開: 2026年7月 カテゴリ: ネットワーク入門

「IPアドレスは分かるけど、ポート番号って何のためにあるの?」——ポート番号は、1台のコンピュータの中で「どのサービスに届けるか」を表す番号です。IPアドレスが建物の住所なら、ポートは部屋番号。この記事では、ポートの役割から、主要な番号、送信元ポート、そして接続を見分けるソケットまでを図解します。手を動かすなら ポート番号の可視化 もどうぞ。

ポート番号とは — 「どのサービスか」を表す番号

データを相手に届けるには、「どのコンピュータか」だけでは足りません。1台のサーバーは、Webサイト・メール・SSHなどを同時に動かせるからです。そこで、「その中のどのサービスに渡すか」を表す0〜65535の番号が使われます。これがポート番号です。宛先は必ず IPアドレス:ポート番号(例 203.0.113.5:443)の形で指定されます。

IPアドレス=建物の住所、ポート番号=部屋番号 🏢 サーバー 203.0.113.5 (住所=IPアドレス) :22 SSH(リモート操作) :80 HTTP(Web) :443 HTTPS(暗号化Web)◀ 届く :25 SMTP(メール) 🖥️ クライアント 203.0.113.5:443 宛て
図1: 同じ建物(IP)でも、ポート番号(部屋)ごとに別のサービスが待っている。443番宛てはHTTPSへ届く

IPアドレスとポート番号の違い

2つは担当する層(OSI)が違い、役割が分かれています。IPアドレスの詳細は IPアドレスの仕組み で解説しています。

IPアドレスポート番号
表すものどのコンピュータ(機器)かその中のどのサービス(アプリ)か
層(OSI)第3層(ネットワーク層)第4層(トランスポート層)
たとえ建物の住所部屋番号・入口のドア
範囲32ビット(IPv4)0〜65535(16ビット)

IPアドレスで「相手の機器」まで届き、ポート番号で「その中の正しいアプリ」へ渡される——両方そろって初めて通信相手が決まります

ウェルノウンポート(代表的な番号)

主要なサービスには、世界共通でポート番号が決められています(0〜1023=ウェルノウンポート)。だから https:// と書くだけで、ブラウザは自動的に443番へつなぎます。試験でも実務でも頻出なので、主要なものは覚えておくと便利です。

ポートサービス用途
20 / 21FTPファイル転送
22SSH安全なリモート操作
25SMTPメール送信
53DNS名前解決(ドメイン→IP)
80HTTPWeb(暗号化なし)
110POP3メール受信
443HTTPSWeb(暗号化あり)

ポート番号の範囲は3つに区分されます:0〜1023=ウェルノウン(主要サービス)1024〜49151=登録済み(特定アプリ用)49152〜65535=動的/エフェメラル(一時利用)

送信元ポート(エフェメラルポート)

ここが見落とされがちな点です。宛先(サーバー側)のポートは固定ですが(Webなら443)、送信元(クライアント側)のポートは、接続のたびにOSが空いている番号を一時的に割り当てます。これをエフェメラルポート(動的ポート)と呼び、通信が終わると解放されます。「行きの宛先は443固定、でも自分の送信元ポートは毎回変わる」というわけです。

接続を見分ける「ソケット」— 4つ組

では、1台のPCから同じサイト(同じIP・同じ443番)へ同時に何本も接続したら、応答はどう区別されるのでしょう? 答えがソケットです。1つの接続は、次の4つの組(+プロトコル)で一意に識別されます。

宛先が同じ 203.0.113.5:443 でも、送信元ポートで別接続と分かる 接続① タブA 送信元 198.51.100.20:51001 ⇄ 宛先 203.0.113.5:443 接続② タブB 送信元 198.51.100.20:51002 ⇄ 宛先 203.0.113.5:443 宛先IP・宛先ポートは同じでも、送信元ポート(51001 と 51002)が違う → OSは別の接続として区別できる。だからタブを何個開いても混線しない
図2: 接続は「送信元IP・送信元ポート・宛先IP・宛先ポート(+TCP/UDP)」の組(ソケット)で識別される

宛先が同じでも、送信元ポートが違えば別の接続。だからブラウザで同じサイトのタブを何個開いても、どの応答がどのタブのものか取り違えません。実際に送るたびに送信元ポートが変わる様子は ポート番号の可視化 で見られます。

TCPとUDP、そしてNAPTとの関係

ポート番号はトランスポート層(TCP・UDP)のヘッダに入ります。TCPの80番とUDPの80番は別物で、独立して管理されます。だから接続の識別には、IP・ポートに加えてプロトコル(TCPかUDPか)も含めます。また、家庭や会社で1つのグローバルIPを多数の端末で共有できるのは、NAPT(IPマスカレード)がポート番号を付け替えて各端末を見分けているからです。この仕組みは NATの可視化 で確認できます。TCPの接続確立(3ウェイハンドシェイク)は TCPコネクションの可視化 をどうぞ。

基本情報技術者試験ではこう出る

「ポート番号は何を識別するか(→アプリケーション/サービス)」「HTTP=80、HTTPS=443、SSH=22、DNS=53、SMTP=25 の対応」「IPアドレスとポート番号の組で通信相手を特定する(ソケット)」「ポート番号は何ビットか(→16ビット、0〜65535)」が定番です。ポート番号がトランスポート層(TCP/UDP)のものである点、NAPTがポート番号で端末を見分ける点もよく問われます。

よくある質問

Q. ポート番号はいくつまで?
A. 16ビットなので 0〜65535 です。0〜1023がウェルノウン、1024〜49151が登録済み、49152〜65535が動的(エフェメラル)ポートです。

Q. なぜ「:80」や「:443」を省略できるの?
A. ブラウザが「httpなら80、httpsなら443」と知っているためです。http://example.comexample.com:80https://example.comexample.com:443 を意味します。標準以外のポートで動かすときは example.com:8080 のように明示します。

Q. 「ポートが開いている/閉じている」とは?
A. そのポートでサービスが待ち受けているかということです。待ち受けていれば接続でき(開いている)、いなければ拒否されます(閉じている)。使わないポートを開けっぱなしにすると攻撃の入口になるため、ファイアウォールで不要なポートを閉じるのが基本です(ネットワークセキュリティの基礎参照)。

まとめ

ポート番号は、1台のコンピュータの中で「どのサービスに届けるか」を表す番号(0〜65535)。IP=住所、ポート=部屋番号です。宛先はIP:ポートで指定、主要サービスはウェルノウンポート(80/443/22/53…)、送信元ポートは毎回変わるエフェメラルポート、接続はソケット(4つ組)で識別——これらを押さえれば、通信の宛先の考え方がクリアになります。可視化で送るたびの動きを確かめておきましょう。

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