通信プロトコルとは?主要プロトコル一覧をやさしく図解

公開: 2026年7月 カテゴリ: ネットワーク入門

HTTP、TCP、IP、DNS、DHCP……プロトコルは種類が多くて混乱しがちです。でも「どの階層で・何をするか」で整理すれば、一気にスッキリします。この記事では、プロトコルの意味から、TCP/IP階層モデル、主要プロトコルの一覧(役割・ポート番号・TCP/UDP)、そしてWebを開くときの連携までを図解します。クリックして確かめるなら プロトコルの階層マップ もどうぞ。

プロトコルとは — 通信の「共通の約束事」

プロトコル(protocol)とは、コンピュータ同士が通信するときの手順やデータ形式の取り決めです。人間が会話するのに共通の言語が要るのと同じで、機器同士も「どんな形式で・どんな順番でやり取りするか」を合わせないと通じません。メーカーの違う機器が世界中でつながるのは、みんなが同じプロトコルに従っているからです。

なぜ階層に分けるのか — TCP/IPモデル

通信の仕事は多岐にわたります(アプリの会話・信頼性の確保・経路選び・電気信号…)。これを1つにまとめると複雑すぎるため、役割ごとに階層(レイヤー)に分け、各層が自分の仕事に専念します。上の層は下の層を「土台」として使い、下の層の中身は気にしません。実際の通信で使われるのがTCP/IP階層モデル(4層)、それを細かく分けた学習用がOSI参照モデル(7層)です。

TCP/IP 4階層と、そこで働く代表プロトコル アプリケーション層 アプリ同士の会話 HTTP・HTTPS・DNS・SMTP・DHCP・SSH トランスポート層 届け方(信頼性 or 高速) TCP ・ UDP インターネット層 ネットワークをまたぐ経路 IP ・ ICMP ・ ARP ネットワークインターフェース層 同じLAN内で隣へ配送 Ethernet
図1: 上の層ほど人・アプリに近く、下の層ほど回線に近い。各プロトコルは担当の層で働く

データが各層を下りるときにヘッダが付いていく「カプセル化」は OSI参照モデルの可視化 で1ステップずつ見られます。

主要プロトコル一覧(役割・ポート・TCP/UDP)

「アプリケーション層」の代表的なプロトコルです。ポート番号(ポート番号とは)とセットで覚えると効率的です。

プロトコル用途ポートTCP/UDP
HTTPWeb(暗号化なし)80TCP
HTTPSWeb(暗号化あり/HTTP over TLS)443TCP
DNS名前解決(ドメイン名→IP)53UDP/TCP
DHCPIPアドレス等を自動配布67/68UDP
SMTPメール送信25TCP
POP3メール受信(ダウンロード型)110TCP
IMAPメール受信(サーバー同期型)143TCP
FTPファイル転送20/21TCP
SSH安全なリモート操作22TCP
NTP時刻同期123UDP
SNMP機器の監視・管理161/162UDP

下の層のプロトコルも重要です。TCP・UDP(トランスポート層)、IP・ICMP・ARP(インターネット層)、Ethernet(ネットワークインターフェース層)。それぞれの役割はマップでクリックして確認できます。

TCPとUDP — 届け方の2つの流儀

アプリケーション層のプロトコルは、下のトランスポート層のTCPかUDPに乗って運ばれます。この2つは性格が正反対です。

TCPUDP
方式コネクション型(接続を確立)コネクションレス(送りっぱなし)
特徴確実・順番どおり・再送あり高速・軽量・確認しない
向く用途Web・メール・ファイル転送音声・動画・DNS・NTP

「確実さのTCP、速さのUDP」。TCPの接続確立(3ウェイハンドシェイク)は TCPコネクションの可視化 で見られます。

Webを1回開くと、複数プロトコルが連携する

プロトコルは単独ではなく組み合わさって働きます。https://example.com を開くだけでも、こんなに連携しています。

DNS でドメイン名をIPアドレスに変換 → ② TCP で相手と接続を確立 → ③ TLS で暗号化の準備(証明書確認・鍵交換)→ ④ HTTP でページを要求・取得。

その下では常に IP が経路を決め、ARP/Ethernet が隣の機器への配送を担当しています。「1つの操作の裏で、複数のプロトコルが層ごとに分担している」と分かれば、通信の全体像がつかめます。

基本情報技術者試験ではこう出る

「各プロトコルはどの層か(HTTP=アプリ層、TCP/UDP=トランスポート層、IP=インターネット層)」「ポート番号の対応(HTTP=80、HTTPS=443、DNS=53、SMTP=25、SSH=22)」「TCPとUDPの違い」「ARPの役割(IPアドレス→MACアドレス)」「DHCPは何を自動化するか」が定番です。プロトコルと層・ポートの3点セットで整理しておくと、選択問題で迷いません。

よくある質問

Q. プロトコルとポート番号の関係は?
A. アプリケーション層の多くのプロトコルには、待ち受ける標準のポート番号が決まっています(HTTP=80など)。サーバーはそのポートで待ち受け、クライアントはそこへ接続します。詳しくは ポート番号とは を参照してください。

Q. HTTPSは新しいプロトコル?
A. まったく新しいものではなく、HTTPを「TLS」という暗号化の層でくるんだものです(HTTP over TLS)。中身のやり取りはHTTPと同じで、その周りが暗号化されて盗聴・改ざんを防ぎます。仕組みは HTTPとHTTPSの違いSSL/TLSの可視化 で解説しています。

Q. メールの送信と受信でプロトコルが違うのはなぜ?
A. 役割が違うためです。送信(サーバーへ渡す・サーバー間の転送)はSMTP受信(サーバーから取り出す)はPOP3かIMAPを使います。POP3は端末にダウンロードする方式、IMAPはサーバー上で管理して複数端末で同期する方式です。

まとめ

プロトコルは「通信の共通の約束事」。数は多くても、TCP/IPの4階層のどこで・何をするかで整理すればスッキリします。アプリ層(HTTP・DNS・SMTP…)/トランスポート層(TCP・UDP)/インターネット層(IP・ICMP・ARP)/インターフェース層(Ethernet)——この地図と、主要プロトコルの役割・ポート・TCP/UDPを押さえましょう。マップで1つずつクリックして確かめると、確実に定着します。

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