通信プロトコルとは?主要プロトコル一覧をやさしく図解
HTTP、TCP、IP、DNS、DHCP……プロトコルは種類が多くて混乱しがちです。でも「どの階層で・何をするか」で整理すれば、一気にスッキリします。この記事では、プロトコルの意味から、TCP/IP階層モデル、主要プロトコルの一覧(役割・ポート番号・TCP/UDP)、そしてWebを開くときの連携までを図解します。クリックして確かめるなら プロトコルの階層マップ もどうぞ。
プロトコルとは — 通信の「共通の約束事」
プロトコル(protocol)とは、コンピュータ同士が通信するときの手順やデータ形式の取り決めです。人間が会話するのに共通の言語が要るのと同じで、機器同士も「どんな形式で・どんな順番でやり取りするか」を合わせないと通じません。メーカーの違う機器が世界中でつながるのは、みんなが同じプロトコルに従っているからです。
なぜ階層に分けるのか — TCP/IPモデル
通信の仕事は多岐にわたります(アプリの会話・信頼性の確保・経路選び・電気信号…)。これを1つにまとめると複雑すぎるため、役割ごとに階層(レイヤー)に分け、各層が自分の仕事に専念します。上の層は下の層を「土台」として使い、下の層の中身は気にしません。実際の通信で使われるのがTCP/IP階層モデル(4層)、それを細かく分けた学習用がOSI参照モデル(7層)です。
データが各層を下りるときにヘッダが付いていく「カプセル化」は OSI参照モデルの可視化 で1ステップずつ見られます。
主要プロトコル一覧(役割・ポート・TCP/UDP)
「アプリケーション層」の代表的なプロトコルです。ポート番号(ポート番号とは)とセットで覚えると効率的です。
| プロトコル | 用途 | ポート | TCP/UDP |
|---|---|---|---|
| HTTP | Web(暗号化なし) | 80 | TCP |
| HTTPS | Web(暗号化あり/HTTP over TLS) | 443 | TCP |
| DNS | 名前解決(ドメイン名→IP) | 53 | UDP/TCP |
| DHCP | IPアドレス等を自動配布 | 67/68 | UDP |
| SMTP | メール送信 | 25 | TCP |
| POP3 | メール受信(ダウンロード型) | 110 | TCP |
| IMAP | メール受信(サーバー同期型) | 143 | TCP |
| FTP | ファイル転送 | 20/21 | TCP |
| SSH | 安全なリモート操作 | 22 | TCP |
| NTP | 時刻同期 | 123 | UDP |
| SNMP | 機器の監視・管理 | 161/162 | UDP |
下の層のプロトコルも重要です。TCP・UDP(トランスポート層)、IP・ICMP・ARP(インターネット層)、Ethernet(ネットワークインターフェース層)。それぞれの役割はマップでクリックして確認できます。
TCPとUDP — 届け方の2つの流儀
アプリケーション層のプロトコルは、下のトランスポート層のTCPかUDPに乗って運ばれます。この2つは性格が正反対です。
| TCP | UDP | |
|---|---|---|
| 方式 | コネクション型(接続を確立) | コネクションレス(送りっぱなし) |
| 特徴 | 確実・順番どおり・再送あり | 高速・軽量・確認しない |
| 向く用途 | Web・メール・ファイル転送 | 音声・動画・DNS・NTP |
「確実さのTCP、速さのUDP」。TCPの接続確立(3ウェイハンドシェイク)は TCPコネクションの可視化 で見られます。
Webを1回開くと、複数プロトコルが連携する
プロトコルは単独ではなく組み合わさって働きます。https://example.com を開くだけでも、こんなに連携しています。
① DNS でドメイン名をIPアドレスに変換 → ② TCP で相手と接続を確立 → ③ TLS で暗号化の準備(証明書確認・鍵交換)→ ④ HTTP でページを要求・取得。
その下では常に IP が経路を決め、ARP/Ethernet が隣の機器への配送を担当しています。「1つの操作の裏で、複数のプロトコルが層ごとに分担している」と分かれば、通信の全体像がつかめます。
基本情報技術者試験ではこう出る
「各プロトコルはどの層か(HTTP=アプリ層、TCP/UDP=トランスポート層、IP=インターネット層)」「ポート番号の対応(HTTP=80、HTTPS=443、DNS=53、SMTP=25、SSH=22)」「TCPとUDPの違い」「ARPの役割(IPアドレス→MACアドレス)」「DHCPは何を自動化するか」が定番です。プロトコルと層・ポートの3点セットで整理しておくと、選択問題で迷いません。
よくある質問
Q. プロトコルとポート番号の関係は?
A. アプリケーション層の多くのプロトコルには、待ち受ける標準のポート番号が決まっています(HTTP=80など)。サーバーはそのポートで待ち受け、クライアントはそこへ接続します。詳しくは ポート番号とは を参照してください。
Q. HTTPSは新しいプロトコル?
A. まったく新しいものではなく、HTTPを「TLS」という暗号化の層でくるんだものです(HTTP over TLS)。中身のやり取りはHTTPと同じで、その周りが暗号化されて盗聴・改ざんを防ぎます。仕組みは HTTPとHTTPSの違い と SSL/TLSの可視化 で解説しています。
Q. メールの送信と受信でプロトコルが違うのはなぜ?
A. 役割が違うためです。送信(サーバーへ渡す・サーバー間の転送)はSMTP、受信(サーバーから取り出す)はPOP3かIMAPを使います。POP3は端末にダウンロードする方式、IMAPはサーバー上で管理して複数端末で同期する方式です。
まとめ
プロトコルは「通信の共通の約束事」。数は多くても、TCP/IPの4階層のどこで・何をするかで整理すればスッキリします。アプリ層(HTTP・DNS・SMTP…)/トランスポート層(TCP・UDP)/インターネット層(IP・ICMP・ARP)/インターフェース層(Ethernet)——この地図と、主要プロトコルの役割・ポート・TCP/UDPを押さえましょう。マップで1つずつクリックして確かめると、確実に定着します。
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