イベントビューアーの開き方と見方 — エラーが大量でも慌てない

公開: 2026年11月 カテゴリ: インフラ実務

PCの調子が悪いときに開くイベントビューアー。初めて開くと、赤い「エラー」がずらっと並んでいて驚きます。でも、エラーの数が多いこと自体は、故障のしるしではありません。筆者のPCの30日分のログでは、エラーが1,275件あり、そのうち見る必要があったのは数件でした。この記事では、開き方から、放っておいてよいエラーと見るべきエラーの見分け方、目的別によく使うイベントIDまでを説明します。

イベントビューアーの開き方

システムとApplicationのログは、普通のユーザーでも読めます。セキュリティのログだけは管理者の権限が必要で、普通のユーザーでPowerShellから読もうとすると Attempted to perform an unauthorized operation. と拒否されました。ログオンの記録を見たいときは、イベントビューアーを「管理者として実行」で開きます。

どのログを見るか

左の「Windows ログ」の下に主なログが並んでいます。困りごとに合わせて選びます。

ログ記録されることこんなときに見る
システムWindowsそのもの、ドライバー、サービス勝手に再起動した、起動が遅い、デバイスがおかしい、サービスが動かない
Applicationアプリアプリが落ちる・固まる
セキュリティログオン・ログオフ、権限の変更(監査)だれがいつログオンしたか、パスワードの失敗(管理者が必要)
Setup更新プログラムや機能のインストール更新のあとから調子が悪い

「アプリケーションとサービス ログ」の下には、機能ごとの細かいログがあります。たとえばグループポリシーは Microsoft\Windows\GroupPolicy\Operational、リモートデスクトップは Microsoft\Windows\TerminalServices- で始まるログに記録されます(GPOの切り分け・リモートデスクトップの切り分けで使い方を説明しています)。

「レベル」の意味

レベル意味
重大処理を続けられなくなった。代表例は、正常に終了しないまま起動した(Kernel-Power 41)
エラー何かが失敗した。ただし、Windowsがあとでやり直して済んでいることも多い
警告今は問題ないが、注意したほうがよいかもしれないこと
情報正常に動いた記録(起動した、サービスが開始した など)

セキュリティのログだけは、レベルの代わりに「成功の監査」「失敗の監査」と表示されます。

実際のPCのエラーは、ほとんどが放っておいてよいものだった

筆者のデスクトップPC(Windows 11)で、システムのログの直近30日分を数えると、全部で6,051件のうち、情報が4,736件、エラーが1,275件、警告が38件、重大が2件でした。このPCは毎日ふつうに使えていて、困っていることはありません。エラーを、記録したソース(プログラム)とイベントIDの組み合わせで分けると、次のようになりました。

システムのログ 30日分のエラー・重大 1,277件の内訳 放っておいてよい 1,270件(うち1種類だけで1,207件) 見るべき 7件 数の多いエラーほど、毎日決まって出る「いつものもの」であることが多い
図1: エラーの数とPCの状態は比例しない。見るべきものは全体の1%に満たなかった
ソースとID件数何が起きたか判断
NetBT 4321
BROWSER 8009・8019
1,215ワークグループ(WORKGROUP)の「代表のPC」の役を、同じLANにある別のWindows PCが先に持っていて、名乗れなかった放っておいてよい。家庭や小さな事務所でWindows PCが複数あると出続ける
DistributedCOM 10005・10010
(警告の10016も)
22
(28)
Windowsの部品(COM)を呼び出す権限がない、または起動に失敗した放っておいてよい。10016はMicrosoftも「想定どおりで無視してよい」と説明している
Service Control Manager 7000・7009・7031 ほか29起動直後に、アプリの更新サービスなどが30秒以内に応答しなかった、一度止まって自動で再開したそのサービスのアプリで困っていなければ放っておいてよい
Windows Firewall 20424更新プログラムの再起動の途中で、設定を一時的に読めなかった同じ時刻にまとまって出ているだけなら放っておいてよい
Kernel-Power 41(重大)
EventLog 6008
2
2
前回、正常に終了しないまま電源が切れた見るべき。そのとき何をしていたか、ほかのエラーが直前にないかを確かめる
nvlddmkm 1531GPU(NVIDIAのグラフィック)のドライバーがエラーを記録した見るべき。画面が一瞬消えた時刻と合えば、ドライバーの更新を検討
Volsnap 361復元ポイントなどに使う領域(シャドウコピーの記憶域)を上限のため増やせず、シャドウコピーが中止された見るべき。復元ポイントを使うつもりなら、容量の設定を見直す
WindowsUpdateClient 201更新プログラム(ここではストアのアプリの更新)のインストールに失敗した見るべき。次の更新で成功していれば問題ない

見るべきだった7件は、どれも1〜2件しかありません。数が多いものほど「毎回決まって出るもの」で、少ないものほど「何かがあったとき」の記録である、というのが、ログを見るときの大まかな感覚です。

見るべきエラーの見分け方

  1. 困った時刻の前後だけを見る:「昨日の15時ごろに固まった」なら、その前後10分ほどのイベントを見ます。ログ全体のエラーを上から読む必要はありません。
  2. 「重大」は必ず見る:重大はめったに出ないので、出ていれば何かが起きています。
  3. 毎日同じ時刻・同じ内容で大量に出るものは、たいてい無害:起動のたびに出るものは、起動の手順の一部として失敗しているだけのことが多いです。
  4. イベントIDは「ソース」とセットで調べる:IDの番号はソースごとに別の意味です。筆者のPCでは、同じ153でも、Kernel-Bootの153は「仮想化ベースのセキュリティが無効」という情報、nvlddmkmの153はGPUドライバーのエラーでした。検索するときは「nvlddmkm 153」のように、ソース名とIDを並べます。

絞り込み方(現在のログをフィルター)

ログを選んだ状態で、右の「操作」から「現在のログをフィルター」を押すと、条件で絞り込めます。

よく使う条件は「カスタム ビュー」として保存しておくと、次から1クリックで開けます。なお、最初からある「カスタム ビュー」→「管理イベント」は、すべてのログのエラーと警告を集めたものなので、件数が多すぎて調べものには向きません。

目的別:よく使うイベントID

調べたいことログソースID意味
起動・シャットダウンの履歴システムKernel-Boot27起動した。BootTypeが1なら高速スタートアップでの起動
システムKernel-General12・13OSが起動した・停止した(高速スタートアップでは記録されない)
システムUser321074だれ(どのプログラム)がシャットダウン・再起動を始めたか
システムKernel-Power41正常に終了しないまま起動した(重大)
システムEventLog6008前回のシャットダウンは予期しないものだった
サービスが動かないシステムService Control Manager7000・7009・7031・7034開始に失敗・応答がない・予期せず停止した
システムService Control Manager7045新しいサービスがインストールされた(見覚えがなければ要注意)
アプリが落ちる・固まるApplicationApplication Error1000アプリが異常終了した(どのアプリか、どのファイルで落ちたかが分かる)
ApplicationApplication Hang1002アプリが応答しなくなって閉じられた
ディスク・ハードウェアシステムdisk7・51・153不良ブロック・ページング中のエラー・読み書きのやり直し
システムNtfs55・9855はファイルシステムの破損を検出。98はボリュームの状態で、ふだんは「正常です」という情報(エラー・警告のときだけ要注意)
システムWHEA-Logger17・18・19ハードウェアのエラー(18は致命的、17・19は修正済み)
更新プログラムシステムWindowsUpdateClient19・20・43インストールに成功・失敗・開始
ログオンセキュリティSecurity-Auditing4624・4625ログオンに成功・失敗(総当たり攻撃の確認にも使う)
セキュリティSecurity-Auditing4740アカウントがロックアウトされた

起動の記録に EventLog の6005(イベントログ サービスの開始)を使う方法もよく紹介されますが、高速スタートアップで起動したときは6005が記録されません。起動を数えるなら Kernel-Boot の27が確実です(高速スタートアップの仕組み)。

PowerShellで一覧にする

イベントビューアーでは数えにくい「どのエラーが何件あるか」は、PowerShellのほうが早く分かります。どちらも管理者でなくても実行できます。

直近7日のエラー・警告を、多い順に並べる

Get-WinEvent -FilterHashtable @{LogName='System'; Level=1,2,3; StartTime=(Get-Date).AddDays(-7)} |
  Group-Object ProviderName, Id | Sort-Object Count -Descending |
  Select-Object Count, Name -First 8
Count Name
----- ----
    6 Microsoft-Windows-DistributedCOM, 10005
    6 NetBT, 4321
    4 Microsoft-Windows-Windows Firewall With Advanced Security, 2042
    4 Microsoft-Windows-DistributedCOM, 10016
    2 Microsoft-Windows-Kernel-PnP, 219
    1 Microsoft-Windows-DistributedCOM, 10010
    1 Service Control Manager, 7009
    1 Service Control Manager, 7034

Level の数字は、1が重大、2がエラー、3が警告です。上のほうに並ぶ「いつものもの」を把握しておくと、新しく出てきたエラーに気づきやすくなります。

起動・シャットダウンの履歴を見る

Get-WinEvent -FilterHashtable @{LogName='System'; Id=1074,41,6008,12,13,27; StartTime=(Get-Date).AddDays(-14)} |
  Where-Object { $_.ProviderName -match 'User32|Kernel-Power|EventLog|Kernel-General|Kernel-Boot' } |
  Select-Object TimeCreated, Id, @{n='Source';e={$_.ProviderName -replace 'Microsoft-Windows-',''}} |
  Sort-Object TimeCreated
TimeCreated           Id Source
-----------           -- ------
2026/10/23 7:17:06    12 Kernel-General
2026/10/23 7:17:06    27 Kernel-Boot
2026/10/23 7:17:08    41 Kernel-Power
2026/10/23 7:17:20  6008 EventLog
  …
2026/10/27 6:51:37  1074 User32
2026/10/27 7:34:28    27 Kernel-Boot

読み方の例です。10/23は、起動(12・27)の直後に41と6008が出ているので、その前の終わり方が正常ではなかったと分かります。10/27は、1074(シャットダウンの開始)のあとの起動で27だけがあり、12(OSの起動)がないので、高速スタートアップで起動しています。ProviderName で絞っているのは、同じIDを別のソースも使っているためです。

1074のメッセージには、シャットダウンを始めたプログラムと種類(再起動・電源を切る)が入っています。更新プログラムによる再起動なら、TrustedInstaller.exe などのWindows Update関係のプログラム名が出ます。

よくある質問

Q. イベントビューアーにエラーが大量にある。ウイルスや故障?
A. それだけでは判断できません。普通に使えているPCでも、エラーは毎日のように記録されます。筆者のPCでは30日で1,275件のエラーがあり、見るべきものは数件でした。困っている症状が起きた時刻の前後と、レベルが「重大」のイベントから見てください。

Q. エラーを消したい。ログをクリアしてもよい?
A. クリアしても、エラーの原因はなくなりません。調べるための手がかりが消えるだけなので、おすすめしません。古いイベントは、ログが最大サイズに達すると自動で上書きされます。

Q. セキュリティのログが見られない。
A. セキュリティのログは管理者でないと読めません。イベントビューアーを右クリックして「管理者として実行」で開くか、管理者のアカウントで開いてください。システムとApplicationのログは、普通のユーザーでも読めます。

🔗 関連:高速スタートアップとは(起動の種類をイベントログで確かめる) / リモートデスクトップに接続できない時の切り分け / グループポリシーが適用されない時の切り分け / Windowsサービスアカウントと権限 / 共有フォルダにアクセスできない時の確認方法