ネットワーク境界の可視化

会社のネットワークを守る代表的な仕組み——ファイアウォール・DMZ・フォワードプロキシ・リバースプロキシを、1枚の構成図で理解します。シナリオを選ぶと、通信(パケット)が図の上をどう流れる(または遮断される)かをステップで追えます。

いま何が起きているか

図の中の各機器をクリックすると、その役割の説明が上のカードに出ます。

登場人物(それぞれの役割)

ファイアウォール(防火壁) … 通してよい通信だけを許可し、それ以外を遮断する「関所」。基本ルールは「既定で拒否(デフォルトDENY)、必要なものだけ許可」です。
DMZ(非武装地帯) … Webサーバーなど外部に公開するサーバーを置く隔離区画。外側と内側のファイアウォールに挟まれ、ここが破られても内部本体は守られます。
フォワードプロキシ内部の利用者の「代理」で外部へアクセス。閲覧先のフィルタリング・ログ記録・キャッシュを行います。
リバースプロキシ外部からの入口を「代理」で受ける。SSL/TLS終端・負荷分散・内部サーバーの隠蔽・キャッシュを行います。

フォワード と リバース、何が違う?(最重要)

どちらも「代理(プロキシ)」ですが、代理する向きが逆です。ここが試験でも実務でも混同ポイントです。

フォワードプロキシリバースプロキシ
代理する相手内部の利用者(クライアント)外部に公開するサーバー
通信の向き内 → 外外 → 内
主な目的フィルタリング・ログ・キャッシュSSL終端・負荷分散・サーバー隠蔽
隠れるのは社員(クライアント)のIP内部サーバーの存在・IP

覚え方:フォワード=「行き(内→外)の代理」リバース=「逆向き(外→内)の代理」

なぜ公開サーバーをDMZに置くのか

公開Webサーバーは「誰でもアクセスできる」ため、もっとも攻撃を受けやすい場所です。これを内部ネットワークに直接置くと、サーバーが乗っ取られたときに社内の機密情報まで一気に危険になります。そこで外部FWと内部FWの間(DMZ)に隔離して置くことで、万一DMZのサーバーが破られても、内部FWが「DMZから内部への不要な通信」を止め、被害を内部に広げません。シナリオ④で、外部から内部への直接侵入が遮断される様子を確認してください。

HTTPS と SSL/TLS 終端について

シナリオ②のリバースプロキシでは「SSL/TLSを終端する」と出てきます。これは、暗号化されたHTTPS通信をリバースプロキシでいったん復号(終端)し、そこから先(内部)は処理を肩代わりする仕組みです。証明書の管理や暗号化処理をプロキシに集約でき、内部サーバーの負荷を下げられます。SSL/TLS証明書そのものの仕組み(認証局による「信頼の連鎖」やTLSハンドシェイク)は、別の可視化コンテンツとして用意予定です。

基本情報技術者試験ではこう出る

「公開サーバーを設置する区画はどれか(→DMZ)」「内部利用者の代理で外部アクセスし、URLフィルタリングやキャッシュを行うのは(→フォワードプロキシ)」「外部からのアクセスを受け、内部サーバーを隠蔽するのは(→リバースプロキシ)」といった、役割と名称を結びつける問題が定番です。ファイアウォールの「デフォルト拒否」の考え方や、パケットフィルタリングの動作も問われます。図と通信の流れで体に入れておくと、用語の暗記がぐっと楽になります。

よくある質問

Q. ファイアウォールが2つあるのはなぜ?
A. 「外部—DMZ」と「DMZ—内部」で守りたいものが違うからです。外部FWは公開サーバー向けの通信だけを通し、内部FWは内部への不要な通信を止めます。2段構えにすることで、1段目が破られても2段目で守れます(多層防御)。1台のファイアウォールを3つの口(外部・DMZ・内部)で分ける構成もあります。

Q. プロキシとファイアウォールは何が違う?
A. ファイアウォールは「通す/止める」を判断する関所、プロキシは「代理でアクセスする」中継役です。役割が異なり、組み合わせて使います。プロキシは通信の中身(URLやHTTPの内容)まで見て制御できるのが特徴です。